ドローグの活動は「モノ」をクリエーションするだけはありません。
彼らのユニークで柔軟な発想は、人と人をつなげ、さまざまなアクションを
生み出し、「コト」を動かしています。
今日はそんなドローグが手がける現在進行中のプロジェクト、
Redlight Design Amsterdamをご紹介します。
(飾り窓の一つがSusanne Klemmのショーケースに。オープニングでの除幕式。)
日本では「飾り窓」地区として知られる、アムステルダムのRed light district。
もはや夜に限らず、物見遊山に集まる世界からの観光客で賑わう観光名所となった
「飾り窓」地区は、一見アートやデザインとは何ら関係なさそうな、
何やらあやしげな雰囲気に満ちたエリアですが、頻発する犯罪などに頭を悩ませた
アムステルダム市がこの地区刷新のためにドローグと組むとは、さすがオランダ!
しかも、主役はジュエリー作家達、という意外性は、それだけで何か起こっている
のか興味をそそられます。
デザイン大国のオランダは、とりわけ建築やプロダクトデザインが日本では有名
ですが、実はコンテンポラリージュエリーの世界的な中心地なのです。いわゆる
貴金属や宝石などの素材の価値や、ジュエリーに対する既成概念にとらわれず、
あくまで作家のコンセプトありきで作られるコンテンポラリージュエリーは、
デザインの価値観をくつがえしてきたドローグと通じる精神があります。
2008年9月に、ドローグとアムステルダム市、そして、公営住宅協会 Ymereに
よって起ち上げられたRedlight Designプロジェクトは、7人の若手ジュエリー
デザイナー達に「飾り窓」の一つ一つの部屋を一年間限定のアトリエとして提供
しました。彼らに課せられたタスクは、かつては売春婦によって使われていた家に、
実際に住んで制作をするということ。2009年9月まで現在継続中です。
ドローグによって、今、もっとも面白いとお墨付きで選ばれたジュエリー作家達は、
ドローグでもおなじみのTed Notenをはじめ、Gesine Hackenberg、Frederic
Braham、Iris Nieuwenburg、Sebastian Buescher、Jantje Fleischhut、
Susanne Klemmの7名。
(プロジェクト オープニングでの作家達)
(オープニングでお披露目されたTed Notenの作品は、ジュエリー自販機!
奥に見えるのがGijs Bakker、その隣がTed Notenです。)
誰一人としてクラシックな「ジュエリー」作家ではなく、彼らの作品は、
アートとしての表現でもあり、デザインでもありますが、しかし身につけるという
機能によって人とダイレクトに関わり合うことが出来るのはジュエリーならでは。
それぞれが、「飾り窓」地区に生活することで日々受けるインスピレーションを基に、
ジュエリーを制作中です。
通りを歩く人々は、それぞれの個性あふれるウィンドウディスプレイに展示される
彼らの最新作のジュエリーを鑑賞したり、また奥のアトリエで制作中の風景をのぞいたり、
思いがけない発見に出会うことになります。
なかでも注目を集めるスイス人作家、Susanne Klemm(スザンネ・クレム)は、
17年前にジュエリーを学ぶためにオランダに来て以来、アムステルダムの街に
魅せられ、それからずっとアムスを拠点に制作活動を行なっています。
Redlight Designプロジェクト中は一年間にわたり、毎月一回アトリエを公開し、
新作をお披露目しています。
8月21日から9月6日まで、ドローグショップ&ショールーム向かいの、
ギャラリー ドゥ ポワソンにて、スザンネ・クレム個展が開催されます。
新作「Frozen」シリーズの日本初公開となりますので、お見逃しなく!
(アトリエでのSusanne Klemm。胸につけたブローチはFrozenシリーズから。)
(Susanne Klemm: Brooch "Frozen")
Susannne Klemm個展 - Frozen -
会期
2009. 8. 21 - 9. 6
会場
gallery deux poissons
東京都渋谷区恵比寿2-3-6 B1F
http://www.deuxpoissons.com/exhibition/exhibitions09/susanne/susanne.html